茶餐廳バカ一代

熱奶茶と菠蘿油から始まる、めくるめく茶餐廳の世界と旅の話。

私のための茶餐廳、私のためのブログ

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香港で生活を始めて五年が経った。

ここに家族がいるわけでも、日本から赴任を命ぜられてやって来たわけでもなく、なんとなく香港に住み着いて五年。

家は狭いし、台所らしい台所もないのでほぼ毎日外食をして暮らしている。

 

この街には高級店から庶民的な店まで、個人店からグローバルチェーン店が至る所に軒を連ね、中華は勿論のことハイエンドのフレンチやらイタリアン、果ては日本食まで、ありとあらゆる食べ物が集まる世界有数の美食都市でもある。

 

だけど私は悲しき現地採用、夜な夜な高級店を練り歩くような財力はないし、そもそもそれは趣味じゃない。

私が好きな香港の食べ物、それは大体がジャンクフードであり、ローカルフードであり、茶餐廳と呼ばれる街の食堂で供されているようなものばかりだ。

 

茶餐廳は香港の街を代表する大衆文化のひとつであって、この街にいれば誰でも、あるいはこの街に居なくても、今や東京や台北メルボルンのような大都市でも楽しめる。

茶餐廳は誰のものでもなく、ましてや一外国人である私のものでは決してない。

けれど、私にとって茶餐廳は単なる食事場所を超えて、自分のセカンドキッチンであり、癒しの場所であり、愛すべき空間ですらあるのだ。

 

そんな茶餐廳に対するいびつな愛情と、普段の生活とを、誰のためでもなく自分の備忘録として。